つみきのいえ

いやぁもう、今日は日本の作品がアカデミー賞を受賞した話題で持ちきりですね。
「おくりびと」「つみきのいえ」が受賞 米アカデミー賞 日本54年ぶり「2冠」


今日の1時すぎ頃、テレビを見てたら突如ニュース速報のテロップが。何事かと思い見てたら、なんと邦画の「おくりびと」がアカデミー賞外国語映画賞を受賞したとのこと。
そこからはご存知の通り、昼のワイドショーで盛り上がりを見せるわ、某巨大掲示板では祭になるわ、夕刊では一面トップに取り上げられるわで大騒ぎ。
前々から見てみたいと思っていただけに、こういう盛り上がり方をされるとさらに見たくなってしまうじゃないか。
「死」の瞬間そのものを描く作品は多くても、「死後」から始まる作品は珍しい。いつか見たいなぁ。
とにかく受賞おめでとうございます。


さて、世間は「おくりびと」のことばかり話題に挙げますが、アカデミー賞を受賞した日本作品はもう一つありますよね。
そう、短編アニメ賞を受賞した「つみきのいえ」です。
こういうサイトですのでこちらの方を重点的に紹介したいと思います。


つみきのいえ」は海面が徐々に上昇していく場所に住んでいるお爺さんを描いた物語です。その土地は日に日に海面の水位が増し、放っておくと家が浸水してきます。なので、お爺さんは浸水するたびに家を上方に増築してきました。雨の日も風の日もお爺さんはレンガを積み重ね、ようやく増築が完成しました。下の家から上の家に引越しをするとき、お爺さんは愛用のパイプをずっと前に浸水したさらに下の家に落としてしまいました。お爺さんは別のパイプで代用しようとしますが諦めきれず、潜水服を購入し愛用のパイプを探しに行きます。海に潜って行くお爺さん。そこでお爺さんが見たものは・・・・・・・・・。


1話12分と短い作品ですが、たった12分で泣かされると思わなかった。
なんて奥が深い作品なんだろう。
なんて優しくて切ないストーリーなんだろう。
詳しく言うとネタバレになるので控えますが、全ては後半に凝縮されています。お爺さんの全てが海にありました。
「お爺さん」「海面の上昇」「水没都市」といった設定が後半の演出を活かし、手書きで温かみのある画と優しい音楽が作品に深みを与えます。
全ての要素が積み重なって、こんなにも心に沁みる作品になったように感じます。
また、「つみきのいえ」というタイトルも素晴らしい。「つみきのいえ」とは単に家のことだけを差している訳ではありません。
このタイトルの真意に気付けたとき、あなたはこの作品の素晴らしさが分かるはずです。


世界に評価された日本の短編アニメーション。その真髄をぜひその目で確かめてほしい。


つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

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※追記
この日記を書き込んだとき、保存されなかった上にバックアップも取れてなかった。
この作品には別の意味でも泣かされてしまった。